さて、行為(カルマ)の重要性を説いたのは誰かご存知ですか?
後の仏陀になるお釈迦様たち。
バラモン文化に反発するように現れた思想です。
歴史をご存知の方は今日のブログは飛ばしてください。
インド歴史初期、
先にインドに在住していた人たちのところに、
後のシルクロードの出入り口になる場所から、
アーリア人(インド・ヨーロッパ語族)が侵入してきて、
バラモン文化なるものが成立していきます。
その基本原理が3つ。
・人間以外の外側に絶対的なるハイパワーが存在するとする(ブラフマン説)
・ヴェーダ(聖なる経典、聖なる言葉など、祭事、儀礼などを記したもの)
・身分社会制度(カースト・4段階)
注目して頂きたいのは身分制度です。
人は生まれながらに(家柄・血筋)人の生きる道が決まっていること。
それぞれの階級には抗いがたい垣根が存在する制度を作っていました。
最高位はバラモン階級で、その人たちは神官の役目を果たします。
バラモン階級の下に、一般社会富裕層、一般市民、庸人や召使いの順になる制度です。
下級はもとインドに在住していた人たちで、
カースト制度が広がる中で、
後から見つかる少数民族はその中にも入れなかったという説があります。
生まれながらに生きる道や生き方、幸福が決められてるという教え。
目の前に広がる一般化社会価値観をただ受け入れるだけの生き方で良いのか?
報われない、苦痛をただ受け入れるだけで良いのか?
そんな疑問を持つ人たちの中で覆す思想が生まれます。
『行為によって人はいやしくもなるし、行為によってバラモンともなる。』
努力によって生き方を変えていけるとする『沙門』たちが現れます。
また中でも、
一般社会のなかで努力をしても報われない、裏切られて絶望感を味わう人たちに、
自らの意思で決めて、自分の力で、心の苦しみを消して安楽に導こうとする教えを、
お釈迦様が発見し伝えるようになりました。それが初期の仏陀の教えです。
のちに仏教となります。
つまりお釈迦様は、明らかな行為主義者。
最古の心理学者のように思います。
脳科学者かな。
当時のバラモン主義からみると真反対の思想ですね。
・救い主は外ではなくて自分自身
・積極的に行為を見直し、行為を自己変革させることである
・心を安楽にすることを目指すとよい
ふたつの思想が相反しながらも、それらによって双方が発展し、
今のヒンドゥー教や大乗仏教にもなっています。
今日なぜこのお話をしたかというと、
人生の不幸は、
身体が病気になること、心が煩悶すること、と5月中に取り上げてきましたが、
その煩悶については、
とかく生活の中で、
積極的に行為に目をつけて、行為を自己変革させることで消滅していきますよと、
このブログでお伝えしたかったのです。
サロンハナミズキの理念です。
この世には信仰主義と行為主義が存在しますが、
行為主義は、誰にでも必要で、また幸福のために避けられない要素だということです。
『お休み』することでさえ、
消極的に休むのと、積極的に休むのでは、その行為は全く違った結果を生みます。
今日は、ちょっとお堅いお話になりました。
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